先月末に公開されたので少し触ってみた。 結論から言えば、いろいろと改善点は見られるもののどうにも微妙といった印象。
純粋に機能の向上を評価できた数少ない機能の1つ。 XP Professionalにおける状況を以前書いたけど(その1、その2)、 その辺の問題がきちんと解決されている。
コマンドプロンプトの組み込みコマンドmklinkを使ってシンボリックリンクが作れるように。 これまでサポートされていたジャンクションとの違いはリンク/ジャンクション作成ツールにまとめられている。 ただ、一般ユーザで作成するにはあらかじめ「ローカルセキュリティポリシー」-「ローカルポリシー」-「ユーザー権利の割り当て」-「シンボリック リンクの作成」でユーザを登録しておかなければならない。
一見便利そうなんだけど、ファイルに対するシンボリックリンクは、リンク元の方を開いてから保存しようとすると新しいファイルとして保存されてしまうことがある(xyzzyで確認)。Vista付属のメモ帳ではきちんとリンク先が更新されたけど、アプリケーションによって扱いが変わってくるようではどう考えても実用的とは言えない。
これのおかげでOSインストール直後のさまざまな初期セットアップも標準ユーザーとしてログオンしつつ作業することが出来た。 事実上管理者として作業するしかなかったこれまでの状況と比べれば大きな進歩だけど、その仕様に「?」となるところも多々ある。
例えばWindows Vista: UAC の抜け道を考える4で挙げられている ファイル名の問題。setup.exeという実行ファイルについて、「管理者として実行」「実行しない」の2つの選択肢しかないので、 Cygwinを自身のホームディレクトリにインストールしたいなんて時にはインストーラをリネームするしかない。
いろいろ書いたけど、では今Vistaを使うかと聞かれたら間違いなくNoだ。 というのも、ウィンドウの最大/最小化やメニューの表示などのアニメーションを無効にすることが出来なくなっているから*1。 正確には「無効にすることは出来る。再起動*2すると勝手に有効になる」。……どうしようもないね。
他にも、クラシックスタートメニューの「ログオフ(L)...」をクリックするとダイアログボックスが出ることなくログオフしたり、システムにグローバルな設定がユーザによって変わっているように見えたり、IE7が起動しなくなったりと完成度が高いとは言えない。 今後修正されることを期待。
ウィンドウの最大/最小化やメニューの表示などのアニメーションを無効にすることが出来なくなっているから。 正確には「無効にすることは出来る。再起動すると勝手に有効になる」。
これ、やり方勘違いしていたからだったようだ。 これまではXPの時と同じように「システムのプロパティ」 - 「システムの詳細設定」から「パフォーマンス オプション」を開いていたのだが、 コンパネの「パフォーマンスと情報」から「視覚効果の調整」と進めないとだめらしい。